大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和32(あ)178 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人原田香留夫の上告趣意第一点の一について。

所論は、刑訴二七三条二項が、単に憲法三二条に違反するというだけであつて、

何ら原判決に対する不服の理由を示していないから、適法な上告理由と認めること

ができない。そして、当該訴訟に要した費用を何人に負担せしめるかという問題は、

憲法の関知しないところであつて、法律をもつて適当に規定しうる事柄であること

は、当裁判所の判例とするところであるから(昭和二二年(れ)三一六号同年一二

月二七日大法廷判決、集二巻一四号一九三四頁、昭和二四年新(れ)二五〇号同二

五年六月七日大法廷判決、集四巻六号九六六頁)、刑訴二七三条二項が違憲でない

ことは、右判例の趣旨に徴して明らかである。

同点の二について。

所論は、違憲、違法をいうが、所論控訴趣意補述書三は被告人の逮捕手続の違法

を主張するものであつて、原判決がこれに対する判断を遺脱した違法があるとして

も、逮捕の違法そのものは原判決に影響を及ぼさないことが明白であるから、これ

を上告の理由とすることはできない。(昭和二三年(れ)七七四号同年一二月一日

大法廷判決、集二巻一三号一六七九頁)

同第二点は、事実誤認、採証法則違反の主張を出でないものであつて、刑訴四〇

五条の上告理由に当らない。

被告本人の上告趣意は、違憲をいう点もあるが、その実質は事実誤認、訴訟法違

反の主張に帰するものであつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

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昭和三二年五月三一日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 池 田 克

裁判官 河 村 大 助

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